Stories #02

Real Imaging!!
推進力!

コロナ禍の中、人が触れる場所のアルコール除菌や手指消毒が当たり前になっていますが、従来の感熱紙はアルコールに触れると変色や発色部分が消えてしまうことで文字が読めなくなってしまうことがあります。当社ではアルコールに触れても変化しない感熱紙の需要が高まると考え、迅速に開発を始めました。

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開発に至った経緯

2019年末に始まった新型コロナウイルス感染が世界規模で問題になった際に、感染予防にアルコール除菌や消毒が有効であることが示されました。そのためアルコール利用が急増することが考えられ、触れたり濡れたりしても変化しない感熱紙の需要が高まると予想し、耐アルコール性を高めた感熱紙の開発に注力しました。コロナ禍以前よりアルコールに触れても変化しない感熱紙を設計する基本技術は社内に保有していたことも開発を後押ししました。

開発の道のり

まず、耐アルコール性に影響する要素を、精密な実験から抽出しました。コストと品質(耐アルコール性)の観点から、抽出した要素に適切にアプローチを行い、コストと耐アルコール性能をバランスさせた設計を試行錯誤の末、見出すことができました。アルコールに触れた程度では全く変化せず、浸漬にもある程度堪えることのできる耐アルコール性能を持った感熱紙を開発できました。

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今後の展開

現在、試作サンプルを作成し、主に印刷会社、プリンターメーカー、ラベル用に粘着加工会社などにサンプルをお渡しし、利用場面で採用いただけるよう提案しています。

今回の開発で、これまでの感熱紙では無かった耐アルコール性が得られ、且つ他の保存性(耐熱性、耐可塑剤性など)も従来以上の性能が得られました。これまで感熱紙の印字保存性が熱転写用紙に比較して劣るなどの理由から採用に至らなかった分野へもご提案が可能になり、営業・開発の両輪で推進力をもって進めています。